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フォレストタウン*かわば
特集 よみがえれ!デゴイチ


村のシンボルとして30年

  川場村では、昭和51年より「農業プラス観光」を村の基本方針として各種施策を実施してきました。この施策の目的は、昭和40年代に過疎化が進行し地域の活力が大きく減少したことによるものです。
 観光拠点施設整備を行うにあたり、北海道内を走っていた蒸気機関車D51561号(通称デゴイチ、以下D51)を国道も鉄道もない川場村に持ち込み、D51を中心としてホテルSLなどを整備し、観光事業の拠点としました。オープン当時より、村内外で大きな話題となり、都会の人達を誘客したほか、子ども会やスポーツ少年団等の団体、家族連れの方まで、多くの方にホテルSLは利用されることとなりました。
 その後、世田谷区民健康村の誘致や川場スキー場、田園プラザなどの整備により村内入り込み客は年間67万人を数えるまでになりました。都市と農村の交流により、農業の生産活動も順調に拡大を続けています。
 しかし、対照的に「農業プラス観光」のシンボルとして活躍してきたD51は、すでに30年を経過し、老朽化が甚だしくなっていました。宿泊施設としての役割もすでに終えていた客車は、平成15年7月に完全に解体撤去され、先頭にD51が残されていた状態でした。
 D51はサビが目立ち、塗膜も剥げ落ち、あまりにも痛ましい外観になっていました。村民はもとより、全国の鉄道ファンからも「かわいそう」「なんとか修繕できないか」との声が多数寄せられていました。
 こうしたいきさつもあり、自主自立の村づくりを進める川場村としては、D51を今一度再生し、村づくりの一層の発展を目指すという目的のもと「D51再生プロジェクト」は始まりました。

D51-561号プロフィール
製造年月日 昭和15年12月17日
製造工場 国鉄(現JR北海道)苗穂工場
受持区の変遷
  S15.12.27  函館機関区
  S35.12  富良野機関区
  S38.8  滝川機関区
  S51.  引退
総走行距離 2,581,334.4km
函館本線から室蘭本線、宗谷本線、石北本線で活躍した。

多くの方々がデゴイチ再生に協力

  今回、主に作業にあたっていただいている方は、長野機関区の元機関士であった大日方孝仁さん(51歳)です。大日方さんは、朝早くから夕方暗くなるまで丁寧、きめ細やかに作業を行っています。
  作業内容は、蒸気ドームをユニック車で持ち上げ、蒸気溜、ボイラー内を修繕するといった大がかりなものから、長年部品にこびりついた塗料の頑強な固着をガスバーナーやアセチレンで熱を加えて剥ぎ取り、磨き上げ、部品の一つ一つが作用するよう復元するといった地道な作業まで多岐に渡ります。
  部品の欠損などがあると、D51修繕の溶接・解体作業に携わっている沼田市の(有)オノザトさんのご厚意により、代用できる部品を製造し、調達してくださりました。
  また、5月の連休に痛ましいD51の外観を見て以来、「なんとかしてあげたいたい。」と考えていた沼田市の(有)クチキテックさんの申し出があり、無償で超高圧ターボ洗浄機を貸して下さったり、社長さん自ら、ケレン作業(塗装工事において、さび落としや脆弱な旧塗膜の除去などを行うこと)を行ってくださりました。他にも、大日方さんの作業を手伝うため、多くのボランティアの方々が遠路はるばる川場村まで駆けつけ、協力してくださっています。
  10月7・8日には、ホテルSLで企画した「D51機関車修復体験ツアー」(1泊2日)が行われ、県内外から多くの参加がありました。
  初日(7日)には、D51の修繕作業見学、機関車の仕組みの講義を行い、夕方には特別メニュー「D51御膳」が出ました。2日目には、メインイベントである「塗装体験」。参加者は足場に登り、炭水車の塗装を行いました。ここでは、香川県のインターナショナルペイント(株)さんのご厚意により、艶消し黒の塗料を無償で提供していただきました。
  デゴイチ再生にかける熱い思い。たくさんの人々の協力によって、このプロジェクトは支えられています。


デゴイチ再生を想い塗装
作業を行う参加者のみなさん

自力走行の可能性を模索

  現在、D51の展示されている敷地内には、約200mにわたる線路が引かれています。修繕完了後には、その線路を活用し、自力走行の可能性を模索しております。
 本来、蒸気機関車は火室で石炭を燃やし、ボイラーに満たした水を熱して高圧蒸気を発生させます。蒸気は蒸気溜から乾燥管、過熱管を通りピストン・シリンダーに導かれます。蒸気がピストンを動かし、煙突から排出されます。ピストンが動き、主連棒を介して動輪を回すことにより動きます。
 しかし、今回計画している走行方法では、ボイラーを圧力容器として活用し、蒸気に代わりコンプレッサーによって生み出される空気圧の力によって動かすという、火や熱を伴わない安全な走行を検討しています。200mというわずかな距離ですから、速度はゆっくりしたものです。
 現在、国・県関係各署にて、自力走行に係る問題を確認し、許認可を得るための協議を行っています。法的な問題が全てクリアされれば、川場のD51の自力走行の道が開けることとなります。自力走行が実現すれば、村内で行われるイベントに活用し、みなさんの前で披露する予定です。

SL豆知識 蒸気機関車の歴史

 明治時代の鉄道開業で、蒸気機関車は輸入されました。大正時代に国産の機関車が登場し、以後、製造技術の向上につれて本格的な蒸気機関車が量産されるようにり、幾多の名機が誕生しました。
  蒸気機関車は昭和中期の動力近代化の完成まで、文字通り鉄道の「牽引車」として鉄道輸送を支え続けてきましたが、電化の推進と共に全廃されてしまいました。
  その後、しばらくして観光資源や産業遺産として見直され、一部の保存機関車が復活を遂げ、その勇姿を再び見ることができるようになりました。
  D51は、1936年から69年まで製造された蒸気機関車で、四動軸を備える「D型」の51号の機関車のことを言い、デゴイチの愛称で親しまれています。

プレート表示の意味

 車両には、車両の識別等ができるよう必要な表記をしなければならないと定められています。国鉄では独自に「車両称号規程」を作成、車両の名称・形式・番号の付け方などを管理していました。蒸気機関車の場合、ナンバープレートは車体の前後と運転室の両側窓下に取り付けられていました。形式のアルファベットは動輪の軸数を示し、2軸がB、3軸がC、4軸がD、5軸がEとなります。また、形式の数字は2桁で表示され、10〜49はタンク式機関車、50〜99はテンダ式機関車(炭水車を別に連結しているタイプ)となります。



あなたも塗装しませんか?

 炭水車の部分の塗装は完了していますが、蒸気機関車のボディ自体の塗装はまだ行っておりません。さび止め塗料を塗った後、塗装をすることになりますが、ホテルSLでは村民のみなさんにも、ぜひ塗装体験をしていただき、デゴイチに触れていただきたいと考えております。まだ企画の段階ですが、日時等詳細が決まりましたら、ホームページや回覧等でお知らせいたします。
●問合せ
ホテルSL TEL52−2241  http://www5.kannet.ne.jp/~hotel-sl/

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